とりあえず作ってみた(仮)

ユカの冒険というフリゲRPGを製作中です。RPGなのにキーアイテムを集めて扉を開くという、マリオの3Dゲームみたいなシステムです。あと敵が逐一変な挙動をする。@matsmomushiで表現規制関係のツイッターもやってます。変な音楽集も。

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ヘイトスピーチという用語を使うべきではない

最近話題のヘイトスピーチについて。
ちなみに、もっと話題の児童買春防止法(児童ポルノ禁止法)の改正についてブログに記事を書いてないのは、結構議論されてて、自分独自の意見というものがあまりないからです。まあ、良いものも消えるからー、とか芸術無罪みたいな言説は大嫌いですが。芸術性のような意味不明な概念で許されるものは、そもそも規制する必要のない表現です。名誉毀損が芸術性を理由に許される訳がないでしょう。もっと、セクシャリティに対する偏見とか、内心を犯罪にすべきでないとか、中身を重視して欲しいです。

で、今日のテーマ。

まず、私は在特会のデモを擁護するつもりはありません。しかし、「ヘイトスピーチ」並びに「差別か否かを基準とした表現の規制」には反対します。理由は以下の通り。

まず、保護の対象を人種などに限定せず、集団一般にしたとします。それは流石に規制の範囲が広すぎるでしょう。ドイツのように「兵士は人殺し」と言っただけで、裁判に巻き込まれることになりかねません。(ドイツのケースで責任は生じていませんが)

では、人種や性別など、特定の属性を理由とした差別に限定すればどうでしょうか。その場合、「許される差別」と「許されない差別」ができてしまいます。
たとえば、女性差別は駄目だが、オタク差別はOKという風に。そうなれば、会田誠展に苦情を入れたような一部の人々が性表現を法をちらつかせて批難する一方、マスメディアはオタクを犯罪者予備軍であるかのように自由に報道できるということになりかねません。
人種や性別は生来的なもので、変えることができないので、特別に保護すべきという意見もあるかもしれません。しかし、生来的属性とそうでない属性を序列化し、生来的でないから差別されても仕方ない、嫌なら変えろなどというスタンスは、さらなる差別を生むことになるでしょう。
また、ヘイトスピーチの対象に性的指向を含めている国がありますが、性的指向と性的嗜好の区別は科学的なものではありません。じゃあ(同性愛と同基準での)小児性愛者も含めればよいのかというと、一部に犯罪行為をする小児性愛小者がいることも事実ですから、それはやり過ぎでしょう。かといって、客観的に危険である可能性のある集団は保護の対象から外すというのでは、差別を公認するようなものですし、同性愛に関しても昔は「ゲイが増えれば女性や子供の安全が脅かされる」という言説(なんで女性なのって思うけど)があったのは事実です。また、在特会の人々は在日コリアンの犯罪率が多いということを主張している以上、彼らにとって在日コリアンは危険な可能性のある集団なのです。一部の人々が(同性愛と同基準での)小児性愛者を危険視するように。

それに、生来的か否かで区別すると、民族の文化や宗教は保護されません。かといって民族や宗教を特別に保護すれば、民族の伝統文化批判は許されるが、オタク文化は批難し放題という、文化の序列化が起こります。また、風習の中にも、イスラムの児童婚のように人権の観点から批判の対象になるものがあり、そういったものが批判しにくくなるという問題もあります。(架空の性表現を引き合いにオタクを犯罪者扱いできるが、実際の児童婚を引き合いにイスラム教徒を犯罪者扱いしたら犯罪になってしまいます。)
フランスではつい最近イスラムの礼拝をナチスの占領に例えたとして、ルペン氏が憎悪扇動の罪で逮捕されましたが、そんなフランスでもブルカが女性差別的であるとして、公共の場所で女性が自らブルカを着用することも禁止となりました。何なんでしょうか、この二枚舌は。「ナチス」発言が原因ならそれはレトリックの取り締まりにすぎないという点で問題があります。

でも、目の前で「死ね」「殺せ」などと叫ぶデモを放っておけるわけがない。だったらどうすれば良いのか。

そのままです、目の前で「死ね」「殺せ」というデモを取り締まれば良いのです。「明白かつ現在の危険」を基準にして。そうすれば、「許される差別」と「許されない差別」が生まれることはありません。

鶴橋で「朝鮮人を殺せ」と集団で叫び、それが危険性のあるものならば、逮捕可能です。
コミケの前で「オタクを殺せ」でも、自衛隊基地の前で「自衛隊員を殺せ」でも同じです。

一方で、「竹島返せ」「表現規制しろ」「自衛隊廃止しろ」と叫ぶのは自由です。

そして、何よりも大切なのは「ヘイトスピーチ」という言葉は用いるべきではないということです。
「児童ポルノ」という名称のせいで、被写体の保護が目的であったはずの児童ポルノを、趣向の統制にまで拡大しようという動きが起こりました。もしこれが、児童虐待記録物であれば、このようなことにはならなかったでしょう。
だから、主張の規制へとシフトしないように、「ヘイトスピーチ」ではなく、「扇動・脅迫的集団示威行為」という名称を用い、規制の範囲を明確にすべきです。


なお、在特会のデモは現行法でも騒乱罪や業務妨害罪に触れる可能性はあります。しかし、明文の規定なく取り締まるのはやっぱり.....と思うので。

共感していただけたなら、この「扇動・脅迫的集団示威行為」という名称を広めていただきたいと思います。
定義は「生命・身体に対する犯罪行為の扇動または聴衆に対する脅迫となる行為が継続反復して行われる集団示威行為であって、明白かつ現在の危険性を有するもの。」で、さらに何か絞りをかけるといいかと。







  1. 2013/07/11(木) 12:00:10|
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小児性愛が「精神疾患」とされる理由

表現の自由に関するコラム第二弾。表現の自由の論点として、実在しない児童の性描写がよく話題に上がりますが、そういった表現の規制に反対している人の中でも「小児性愛」がどのようなものか分かっていない人が多いでしょう。そこで、今回はその話をします。

まれに、「精神医学では同性愛は病気でないとされているが、小児性愛は病気である。」といった言説を目にします。これは、本当に正しいのでしょうか?

……結論から言えば間違いではありません。確かに、「精神障害の診断と統計の手引き 第四版修正版(DSM-IV-TR)」には、小児性愛(ペドフィリア)はあっても同性愛はありません。……しかし、それにはあるカラクリがあります。

ここで問題となるのは、小児性愛の定義と性趣向が精神疾患とされる基準です。まずは定義から。

http://behavenet.com/pedophilia

ここによると、小児性愛者であるという診断するには、以下の三要件を満たす必要があります。(訳はウィキペディアからの引用)

規準A : 少なくとも六ヶ月以上にわたり、思春期前(一般に13歳以下)の子供との性的行為に関わる性衝動や強い性的興奮を引き起こす空想、または実際の行動が頻発している。
規準B : このような性的衝動に従って行動してしまっているか、あるいは、その性的な衝動や空想によって著しい苦痛や対人障害が引き起こされている。
規準C : 少なくとも16歳以上であり、規準Aの対象児童よりも、5歳以上、年長であること。 注記 : 12歳または13歳の児童と継続的性的関係にある、青年期後期の主体は含めない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2

つまり、「六ヶ月以上にわたり、思春期前(一般に13歳以下)の子供との性的行為に関わる性衝動や強い性的興奮を引き起こす空想が頻発」していて、なおかつ実際に犯罪行為を行うか、本人が苦痛や対人障害を引き起こしていない限り小児性愛者ではないのです。要するに、コミックLOとかを読んでいる人は小児性愛者には当たらない。

「小児性愛者は犯罪者」は(本人の苦痛や対人障害により小児性愛者とされない限り)間違いではありません。しかし、それは犯罪者のことを小児性愛者と呼んでいるからにすぎないのです。同性をレイプした者を「同性愛者」と定義すれば、「同性愛者は犯罪者」です。

「精神障害の診断と統計の手引き」では、小児性愛のように実際に行えば人に危害を加えることが避けられないものでなくても、条件を満たせば精神疾患とされまする。カトプトロノフィリア(鏡に映ったものに性的興奮を感じる)など。(ただし、性趣向を精神疾患とするには少なくとも「当人が自分の性的嗜好によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活をおくることが困難であること。」「当人の人生における困難に加えて、その周囲の人々、交際相手や、所属する地域社会などにおいて、他の人々の健康な生活に対し問題を引き起こし、社会的に受け入れがたい行動などを抑制できないこと。」の二要件を満たさなくてはなりません。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A7%E7%9A%84%E5%80%92%E9%8C%AF

では、なぜ同性愛は病気でないのか。

……答えは簡単、抗議があったからです。

ウィキペディアの「LGBTの社会運動」の項目には「1970年代以降の活動家はアメリカ精神医学会が『精神障害の診断と統計の手引き』で同性愛を精神疾患とする内容に抗議を行い、1974年に同性愛は「性的指向障害」区分から「自我異和質的同性愛」に置き換えられて疾患から削除されたが、「性同一性障害」は残された。」とあります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/LGBT%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E9%81%8B%E5%8B%95#1975.E5.B9.B4.E2.80.931986.E5.B9.B4

定義を見れば分かる通り、「性的倒錯」の定義は社会に準拠します。そして、政治運動によって病気が病気ではなくなるのです。

ちなみに小児性愛に関してはこんな論文もあります。

http://www2.hu-berlin.de/sexology/BIB/pedophilia.htm

Richard Green氏の「Is Pedophilia a Mental Disorder?」という論文です。

内容を要約すると次の通り。

・精神疾患は日常生活に支障が出るものであることが大前提で、なおかつ本人がそれをストレスに感じていなくてはならない。

・多くの小児性愛者は趣向をストレスに感じていない

・小児性愛者とそれ以外の者をアイゼンク性格検査(Eysenck Personality Questionnaire)で診断したところ、小児性愛者がやや内向的であった以外に差異が見当たらず、小児性愛者が衝動的に犯罪を起こす確率は小児性愛者でないものと同じであった。

・子どもを性愛対象と見ることがタブーでない文化は歴史上多く、小児性愛を病気とするのは無理がある。

                        (要約はtwitterでとある方から教えて頂きました。)


あと、「性的指向」と「性的嗜好」は違うという言説に関して。

ウィキペディアの「性的嗜好」の項目を見ても……

「性的嗜好(せいてきしこう、英語: sexual preference)とは、人間の性的行動において、対象や目的について、その人固有の特徴のある方向性や様式を意味する。すなわち、対象や行動目標において特定の好みやこだわりが存在する場合、何らかの性的嗜好を持つと表現できる。ただし、対象の性別についての方向性に関しては特に性的指向と呼び、通常は性的嗜好には含めず分けて扱う。」

と区別の根拠が全く書かれていません。

これに関して調べてみたところ、同性愛やトランスジェンダーなどが「自由意志によって選択したものではない」ことを理由に区別されているようです。

しかし、DSMの要件を満たす小児性愛者や同性愛と同じ基準での小児性愛者(いわゆるロリコン)は趣向を自分で選択したといえるのでしょうか?

確かに、コミックLOを読むか読まないかは自由意志で選択できるでしょう。しかし、コミックLOを読みたいと思うか思わないかを選択できるかと聞かれたら、それは不可能です。逆に言えば、同性に魅力を感じるかどうかは選択できなくとも、同性と性行為を行うか否かは選択可能です。

ネット検索をしていると、LGBTの方のブログなどで「性的指向/嗜好」の区別を批判しているものがけっこうあります。

また、そもそも正常/異常と善/悪は全くべつの次元の話です。小児性愛が正常でも、13歳未満の者に十分な判断能力がないなら実際の行為は認めるべきではありませんし、小児性愛が異常でも、それは架空の性表現を取り締まる理由にはなりません。

  1. 2013/02/25(月) 17:43:18|
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ワクドナルドと女子校生~これって自主規制?法規制?~

とりあえず、表現の自由に関わる法律に関して、疑問に思っている人が多いであろうものを集めてみました。

よく漫画なんかで、イメージを悪化させるような場面でもないのに、企業のロゴが改変されていたりすることってありますよね。また、成人向けのゲームなんかで冒頭に「登場人物は全員18歳以上です」という注意書きが入ったり、女子「校」生といった表現が使われていたりしますよね。こういったものに関して、法律的にはどうなのよって話をします。


まず、企業のロゴを使うとなれば、まっさきに頭に浮かぶのが「商標法」です。果たして、漫画の背景に企業のロゴを使用すると、商標法違反となるのでしょうか?

このことに関して、僕が大学の知的財産センターの教授に尋ねたところ、答えは「ならない」でした。

まず基礎知識として……商標は登録を行う際にその商標を使用する商品や役務の範囲を指定します。そして、商標権の侵害となるのは、商標を指定されたものと同一もしくは類似の商品または役務において使用した場合に限られます。

しかし、これだけでは漫画などが指定商品であった場合(希ですが)は作中に商標権が及ぶことになるように思えます。また、使用の有無にかかわらず著名なマークを保護する制度として防護標章制度というものがあり、これに関しては商品や役務が類似でなくてもその効力が及びます。商標法には権利の及ばない範囲も示されていますが、自己の氏名等や使用する商品自体の普通名称、容量等など狭い範囲に限られ、これに該当するということもなさそうです。

そこで登場するのが「商標としての使用(商標的使用)」です。これは、明文化はされていないものの、実務の上で判例法理として確立した概念です。これによれば、法文に照らすと形式的には商標権の侵害となる場合であっても、自他商品識別機能ないし出所表示機能を有する態様での使用でない場合には、商標権侵害には当たらないという法理です。有名な判例として「ポパイ事件」(大阪地裁昭和51年2月24日判決昭和49(ワ)第393号)や「POS事件」(東京地裁昭和63年9月16日判決昭和62(ワ)第9572号)、「アンダー・ザ・サン事件」(東京地裁平成7年2月22日判決平成6(ワ)第6280号)などがあります。実在のものを再現するという利用法で言えば、「Marlboro事件」(東京地裁 平成5年11月19日判決平成5年(ワ)第5655号)というものがあります。この判例では、F1レースカーを再現するためにその模型に張ったシールが他の多くの有名企業名や標章等のシールと並列的に配置されていることなどから、商標的使用に当たらないとされています。

こちらに詳しい解説があります。

http://www.tomono.org/?page_id=785

判例の詳細は以下のサイトを御覧ください。

http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/t_mark21/sankou2.pdf

http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/t_mark02/paper04.pdf

「著作権」については「『Asahi』vs.『AsaX』事件」(東京高裁 H8.1.25 平成6年(ネ)1470号事件)ではロゴマークの著作権が否定され、その判決は最高裁まで維持されています。

http://www.saka-pat.com/copyright-court-IP-1.htm

ちなみに、以前モバゲーニュースで漫画のロゴ自主規制に関するコラムを呼んだことがあるのですが、漫画家の人が言うには、漫画家がロゴをそのまま使っても咎めない出版社もあるらしく、ロゴを使用している会社からクレームが付いたという話は聞いたことがないとのことです。なお、その漫画家は編集部から「SONY」を「SOMY」に変えろと言われて、「SEX」に変えたそうです(笑)また別の作家さんは、商標権の侵害にならないことは知っていたそうですが、企業のイメージダウンなどから一般の不法行為で揉めることが無いよう、企業名をもじって使っているそうです。一説には、スポンサーへの配慮もあるとか……

もちろん、イメージを悪化させるような使用法の場合は、人物名、企業名などは改変したからといって必ずしも名誉毀損等の不法行為に当たらないとは言えませんし、商標権は類似商標にも及ぶので、商標として使った場合は場合は改変しても商標権侵害になる可能性があります。つまり改変してもしなくても、法律上問題になるのはあくまで「使い方」だということです。

なお、不正競争防止法(商標登録されていなくても著名な商品表示を保護する規定がある)についても、その商品自体と混同を生じさせてしまうような場合と、商標(商品等表示)としての使用に当たる場合のみを規制しており、作中等で普通に使う分には問題ありません。


ちなみに、「意匠権」は同一の物品にしか及ばないそうです。車の意匠権はおもちゃの車には及ばないのですから、漫画にも及ばないと考えていいでしょう。

http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/tetuzuki/ans_isyo/index.html


次に、成人向け作品において、キャラクターの年齢を18歳未満と表記してはいけないのでしょうか。

……結論から言うと、「問題ない」です。まあ、本当にそんな法律があるなら「小◯生」とか書いてる時点でとっくに逮捕されてるとおもいます。

キャラクターの年齢表記の規制は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の制定の前後から、コンピュータソフトウェア倫理機構などを中心に行われるようになったようです。

本当に18歳未満の人物を使用して写真や動画を作成すれば、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」にひっかかるのは当然です。ただ、その法文は……

第二条 「この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう」

第二条3項 「この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。 」

と漫画などが含まれるのかがはっきりしません。そこで、条文が曖昧だから運用されていないだけで、解釈上は含まれるかもしれないから自主規制してるんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。

しかし、この法律の実務家である奥村弁護士によれば、「「児童は実在することを要する」というのは確定判例」とのことです。

判例には、児童ポルノの処罰は「具体的に特定することができる児童が被撮影者となっている場合に限るとすべき」という被告人の所論に対し、「児童ポルノに描写されている児童が実在する者であることは必要であるというべきであるが、さらに進んで、その児童が具体的に特定することができる者であることまでの必要はない」とした判例(大阪高裁平成一二年(う)第六四九号)や、「児童の実在性が明文化されておらず,萎縮効果のおそれがあるから,憲法21条に違反する」という被告人の所論に対し、「確かに,上記「児童ポルノ」は実在する児童を被写体としたものと解すべきであるが,この点は児童買春処罰法2条1項の「児童」が18歳に満たない者と定義され,これを用いて児童ポルノも定義づけられていることからすると,児童の実在を前提とする趣旨は明確となっている」とした判例(名古屋高裁金沢支部 平成13年(う)第78号)などがあります。立法当初の議事録の時点で実在の者に限る趣旨は説明されており、上記の判例もすべて実写映像の判例です。

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20130205#1109754922

……ただし、これらの判例、「児童が実在の者であることを要する」とは言っていますが、「絵や漫画が含まれない」とは一言も言っていません。さらには前述の大阪高裁の判例において、「規制対象とすべき児童ポルノは、被撮影者が実在する特定の児童であることが明らかである写真及びビデオテープに限られるべきである」とする被告人の所論に対し、「児童が視覚により認識することができる方法により描写されることによる悪影響は、写真、ビデオテープに限られず、所論の指摘する絵画等についても同様であるから、法二条三項が表現の自由を過度に広範に規制するものとはいえない」との判決が出ています。

つまり、大事なのは「年齢表記をしないこと」ではなく、「実在の人物を描かないこと」です。

全国同人誌即売会連絡会の声明では、「18歳未満の架空キャラクターを用いたエロティシズム、バイオレンス表現は罪を問われることはありません」としながらも、「実在する児童に対する猥褻行為、虐待等の人権侵害行為をモデルとした模写(イラスト、マンガを含む)は「児童ポルノ法」により規制されます」と述べています。

http://sokubaikairenrakukai.com/news070100.html

また、インターネット・ホットラインセンターのQ&Aでは、架空のキャラクターは児童ポルノではないとしながらも、実在児童の漫画が含まれるのかは曖昧な記述になっています。

http://www.internethotline.jp/faq/faq_illegal.html#title8

ちなみに小説や音声は実在の児童を使用しても「視覚により認識することができる方法」ではないので児童ポルノ的にはセーフです。ただし、名誉毀損や侮辱罪に問われるおそれがある上に、倫理的にもアウトなのでこれは絶対にやめましょう。

なお、話題になった都条例ですが、実在のジュニアアイドルに関する規定(助言・指導のみで罰則なし)は残ったものの、非実在に関する規定は削除され、新基準による指定図書も成人に対して配布する限りは問題ありません。(指定基準が曖昧だったり差別的だったりするのは問題でしょうが、青少年条例がある都道府県で知事の指定があるまで罰則付きの有害図書にならないのは実は東京だけだったりします)

まとめ……法律はとんちではない。自主規制自体に文句は言わないけど、自主規制したくない人が法規制だとおもって萎縮してしまうかもしれないから、自主規制であるという但し書きはした方がいいと思ったりします。






テーマ:同人活動 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/02/25(月) 05:45:56|
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